どうも尾嵜です。
日々、営業や採用、経理を含むさまざまな業務を行っていますが、実は結構注力しているのが、マーケティング活動です。
話せば長くなりますが、マーケティングの入り口が「認知」と呼ばれるフェーズにあたり、われわれ中小零細企業にとって、この「認知」の成否がマーケティングの成否を決定づけるといっても過言ではありません。
当社では、いろいろなところに採用情報を掲載し、ブログを書き、「認知」向上の活動を行っているわけですが、当然、SNSの活用もその重要な活動にあたります。
また、認知活動の中には、SEOも含まれます。
例えば、インターネットで「プログラマー 大阪 転職」等と検索した時に、当社としてはできるだけ上位に表示されたいわけです。
そのために求人ページの品質を向上したり、キーワードをちりばめたりする活動を行います。
いま上位に表示されているページのキーワード数なども調べて、それに勝てるような様々な対策を施します。
ですが、キーワード数やページの品質を上回っても、表示順位で勝てないことが結構あります。
そのときに影響しているのが「ドメインパワー」です。
ドメインパワーは、文字通りドメインの力を表す言葉ですが、ドメインの歴であったり、アクセス数であったり、被リンク数から評価されます。
そこで、SNSで記事をシェアして認知を高めつつ、リンクをシェアしてドメインパワーを高めようという作戦を実行することになりました。
ハイ。要するに、SNS活用しようぜって話です。
ですが、40代後半になった筆者。SNS活用が得意ではありません。
効果が見えない活動に、時間や労力をかけると、心がすり減ってしまうお年頃です。
そこで、覚えたてのPowerAutomateを使用して、自動ツイートを実現しようと相成りました。
さて、おもむろにPowerAutomateを立ち上げたは良いものの、PowerAutomateのXアクションをフローに接続しても、うまく認証が通りません。
X APIのサイトを読んでも英語なので悪戦苦闘。
POSTMANというサービスを使え的な説明に従って、設定を続けるも、つながる気配がありません。
うまく動いている記事もあれば、有料アカウントじゃないと動かないというような文言もあり、心が折れてPowerAutomate から直接Xに投稿するのは諦めました。
こういうところは、私が元々技術者じゃないので拘りがありません。サクッと行きます。
そこで、GASラボさんが作成されている、「【無料】Twitter(X)自動投稿ツール※スプレッドシート連携」を拝借して、PowerAutomateでは、スプレッドシートに書き込むところまでを自動化することにしました。
とても便利なツールです。ご興味がある方は、ぜひWebサイトを見てみてください。
ここで念のため、PowerAutomateで何をしているのかをご説明しておきます。
PowerAutomateは、毎日朝5時に自動で起動します。
あらかじめCMSからエクスポートしたブログ記事のURLとタイトルと本文がSharePointリストに格納されています。
各記事に番号が与えられていて、PowerAutomateの起動時にすべての記事の番号が1増えます。
番号が大きい順番にソートされ、上位10個の中からランダムで1つが選ばれ、その記事がツイートの対象になります。
また、選ばれた記事の番号は0にリセットされます。
つまり、番号は最後にツイートされた日からの経過日数を表しており、経過日数が多いものからツイートの対象になる仕組みです。
そこで選ばれた記事の本文とURLがPowerAutomateの中で、変数としてChatGPTのアクションに渡されます。
ChatGPTのアクションがツイート文を生成し、それを受け取ったPowerAutomateがGoogleのスプレッドシート(【無料】Twitter(X)自動投稿ツール※スプレッドシート連携)に新しい行を追加し、ツイート文を書き込みます。
あとはGASが勝手にツイートしてくれます。
ChatGPTのアクション(正確にはChatGPTの設定を施したHTTPアクション)で何をしているのかと言うと、選ばれた記事の本文とURLを受け取り、アクション内で本文とURLを含むプロンプトを生成し、APIを介してChatGPTに投げます。
ここで、本文をプロンプトに含んでいるのは、GPT-3.5Turboを使用しているからです。
GPT-4以降のモデルはWebアクセスが可能であるため、URLを渡しておけば記事にアクセスして返答してくれますが、GPT-3.5Turboにはそれができません。
だったら、GPT-4を使えば良いじゃないかと言われそうですが、GPT-3.5TurboとGPT-4の間には、入力で6倍、出力で40倍の料金差があります。
使いどころによって、どのモデルを使用するのかを考える必要と、そのモデルを使用する場合、どのような入力が必要なのかを考える必要があります。
これで一通り、ツイート文を生成するところまでは出来ました。
ですが、そこはAI。
自分だったら絶対に書かないようなツイート文が生成されてしまいます。
昭和の営業マンのような押しの強い文章(ぜひ読んで!)や、さも優秀なスペシャリストになったかのような上から目線のアドバイス(こうやりましょう)の数々…
自社の公式Xから発せられた文章だとしたら、目を覆いたくなるようなものが量産されてしまいます。
ああでもない、こうでもない、と試行錯誤し、Twitterのハウツー本を読み返したりして何とかプロンプトが完成。
ツイートを自動化するツールの中の、ツイート文を作るためのプロンプトなので、結局はここが勝負所になります。
そうして何とか完成にこぎつけた「完全自動ツイート by PowerAutomateとか。」
いくつかチェックして、きっと大丈夫、うん大丈夫、とは思うものの、「完全自動」を謳う以上、最後は目を離して運用しなければなりません。
ハッキリ言って怖いです。
下手なツイート文を生成して炎上しないだろうか、と。
でも、こうも思います。
自分がツイートするよりきっと安全。だって変なところで怒ったり正義感ぶったりしないもの。
こうして生成されたツイート文が人の心を動かせるのか、という疑問を抱きつつ、これから先はこういうことも増えていくんだろうとも思う。
そして、きっとAIの質が向上して、人が書いたものと変わりないものができ、きっと人の心も動かすようになるんだろうな、とも。
そんな時代に、まず先頭に立って進んで行きたい。