現実の物体の裏に隠れるAR by ARCore
ARとは
いまさらかも知れませんが、ARとはAugmented Realityの略で日本語訳を「拡張現実」と言います。VRとよく混同されますが、VRはVirtual Realityの略でいわゆる「仮想現実」です。VRは完全に作られた仮想の世界であるのに対して、ARは現実の世界をコンピュータの力で拡張するものです。
有名なものだと、PokemonGoに使われているのがARです。PokemonGoでは位置情報を使ってポケモンを配置し、実際にそこに行けば、あたかもポケモンが本当にそこに居るかのうように、スマホで写した現実の世界の中にポケモンが現れます。
課題だった物体の裏
位置情報を使ってオブジェクトを配置すると言うのはけっこう前から行われていました。10年ほど前に「セカイカメラ」と言うアプリが流行りましたが、それも位置情報を使ったARでした。
また、数年前に地面(平面)を検出してそこに立たせたり、影を写したりする技術も実現されました。そして先日のARCoreのバージョンアップで手前にある物体の裏にオブジェクトが隠れる(オクルージョン)が実現されました。つまり、それまではオブジェクトが宙に浮いていたり、木や建物と重なっていたりしても構わずに表示されていましたが、しっかりと地面に立ち、木や建物の裏に隠れると言う表現力が向上されました。
※AppleのARKitはARCoreに先行してオクルージョンを実現していました。
古い端末や以前のアプリでは扉と重なってしまう。
やってみた
で、さっそくやってみました。非常にシンプルで、検出した平面に当たり判定をつけているところにボールを発射するという物です。
プラットフォームや床にあたって跳ね返り、プラットフォームや壁の影にボールが隠れています。
2020年発売のスマホの多くには、ToFカメラ等の深度センサーが搭載されています。これによりARの表現力はさらに向上します。本当はそこにないものが、あたかも存在するかのうように見えるようになります。
そこにいないはずの人が居るように見えたり、本当はないビームをスマホで撃って戦い、それを現実の壁でかわしたり…想像するとワクワクしますね。