「最高のSES」②
最高のSESをつくるために
前回のブログで、偽装の問題、給与の問題、現場の問題、営業の問題など、SESの問題とされている点をとりあげました。他にも色々あると思いますが、SESを経験したことがある方は1つぐらいは記憶に当てはまるところがあるのではないでしょうか。あるあるネタ的に楽しんでいただければ嬉しいです。
今回のブログでは、そうしたSESの問題点を「最高のSESを目指す」と公言する当社がどのように対策しているか、あるいは、これから対策していくかについて書いていこうと思います。
すべての問題は商流にある
いきなり結論めいた事を言っちゃいます。すべての問題は商流にあると考えています。偽装の問題も給与の問題も営業の問題も、根っこは商流です。もっと正確に言えば、「他社が何社かかんだ商流」にあります。
例えば、名刺を切らしていると言う嘘は、間に何社も挟まっていて本当の社名を明かすことが出来ないと言う、商流を誤魔化すための偽装。休日出勤をしたのにしていないことにするのは、間に入っている会社の心象を良くするための偽装、または商流のいくつか下にある所属会社に対する偽装です。
元請けで単価があがったのに、自社の単価が上がらないのも、商流の間の会社のどこかで単価アップが止まっているためだし、Javaと言われて行った案件がCOBOLだったのも間にいる人の数だけの伝言ゲームが行われた商流の問題です。営業が案件の情報を理解していないのも、営業間で行われた伝言ゲームか、どこかに責任感のない営業がはさまっている商流の問題です。原因は商流にあります。逆に言えば、深い商流をなくし、自社で情報をコントロールできれば、これらの問題の多くは解決できます。
営業のこだわり
こうした商流の問題を解決するために、こだわっていることがあります。当社が積極的に請ける案件は原則的に、元請け直の案件、またはユーザー系システム会社で体制を築いているシステム会社を介した案件まで、と決めています。また、すべての顧客に対し、当社の体制拡大を働きかけています。
商流に対する制限なく、ひとり常駐を良しすれば、多重SESが始まってしまいます。当社はそれを明確に否定します。
また、当社を介した人材の仲介は一切行いません。人材の仲介は、リスクを負わずに利益をあげることができる、経営者や営業にとって麻薬のようなものです。ですが、一度それに手を染めるとそこから抜け出すことは難しくなり、エンジニアを食い物にすることに抵抗を感じなくなってしまいます。
当社も将来はエンドユーザーとのビジネスや、自社サービスの開発、提供も進めていきたい。そうすれば「商流」とは無縁でいられるからです。ですが、企業としての体力、開発力を身につけながら進めていこうと考えています。
給与に対する考え方
また、給与に関してはエンジニアに納得感を持ってもらえるように行動しています。単価があがれば単価があがったことを共有し、予算について説明し、こう言う理由でこれだけあがる、今回はあげられない…等といったことを話し合っています。中には戦略上、予算を割りながらも参画を進めている案件もあります。それについても説明することで相互不信の元をなくすように努めています。
その他、SESの大きな問題として自社と現場が離れているため、放ったらかしにされやすいと言う問題があります。エンジニアにとっては自社は二の次、管理側にとっては、敢えてめんどくさいことに手を出さないでおこうと言う心理が働きます。それを解決するために、ランチミーティングや1on1を行っています。他愛もない世間話をしたり、現場の問題点を話したり、将来どんなエンジニアになりたいか、など評価とは無関係のところで話をします。そのエンジニアがどんなことを考えているのか、管理する人間がどんな性格なのか、何をしているのかをお互いに知ることが何よりも大切だと考えています。
素直であること
当社は毎月、決算を公表しています。会社がどんな状態で、何にお金を使い、どの方向に向かっているのかを従業員に知っておいてほしいと思っています。経営者の使い込みや、謎の接待交際費などは不信感のもとになります。お互いに信頼し合うことが良い会社を作ることの第一歩であると考えています。おかしいことはおかしいと言える会社であり、それを素直に受け入れ、改善することができる会社。それが「最高のSES」を実現する方法だと考えています。
まだまだ、現時点で「最高のSES」は実現できていませんが、一歩一歩近づけていきます。ご期待ください。